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えー。ふつうにオモチロかったよ、これ。
シャマランの映画ってたぶんこれが初めてだけど、確かにこれ以上ないくらいジャストでカットを割ってくるのはすごいと思った。物語もこのインド人が書いてると知って驚いた。なんでこんないい映画撮れる男がエアベンダーなんて撮ったんだろう、と不思議。 あれか、インド人だからか。モリミーこと森見富美彦云うところの阿呆の血のたまものなのか。そうなのか。じゃあしゃあねえな(不満そうに)
おいらはカンがいいのかわからないけど、オチも何となく読めてしまっていたけど、やっぱり気づいた時にはおおってなった。そういう映画。あとシャマランの女の子の撮り方が超絶かわいいので、萌えたい人はぜひ観よう! 内容面もいいよ!
主演女優はブライス・ダラス・ハワード。え? かわいくなくね? wikiで写真見たら全然かわいくないってどういうことなの説明してよパパン! あれ? 時の流れは獰猛だってオチですかい!? インド人強かったということなのかな・・・これは・・・・お相手の男性はわれらがホアキン。もうね、全然イケメンじゃないんだけどなんかかっこいいというわれらがブサの星です。最近は役者にイラついてラッパーになったけど最初のライブでdisられまくって観客の胸倉つかんでブチ切れるあのお方ですね! でも俺が今回一番すげえと思ったのはエイドリアン・ブロディ扮するノア・パーシーなのです。

(ここから先ネタバレ)

で、お話。クローズド・ワールド、箱庭、まあいろいろ言い方はあるんでしょうけど、一時間四十分そこらで話を閉めてしまうので、外界との接触はあんまりありません。この辺贅肉を許さないシャマランの監督性がにじみ出てるんじゃなかろうか。まああんまりよさそうじゃないもんね、ぐちゃぐちゃ横やり入れても。村の未来についてもあんまり考えないとこもかなりいいんじゃないかと思います。同様の理由で。
大切なことは何か。
なんつってもノアですよ。
他人の葬式で笑う男。
赤という赤が徹底的に摘み取られて埋葬されたこの村で、真紅が選ぶとすれば、それはこの男以外にはありえないと思う。知的障害を持ったせいで、子供の精神を持つ男であるノアは、赤を選んだ。それは恋敵であるルシウスを刺して噴き出た血の色であり、黄色の庇護を支え、支えられた村人からある意味疎外された彼の行き着く郊外としての森の色だ。思えば、彼が森に這入って赤い実を持ち出してきたのも彼で、子羊の皮をかっぱいで血みどろの贄を置いたのも彼だった。
彼はなんだったのだろうか?
ここで僕が思い出すのは、無垢のはなしだ。
『年長者』(どうでもいいけど、こういう感じの陰謀めいた役職名は萌えるね)であるウォーカーは村の理想として、「無垢であること」を挙げた。そして彼はなおも語る。悲しみを受け入れること。何かを知って、最善の策をとらねばならないとき、それまで積み上げたすべてを捨てること。
そこまでいって、初めて無垢という業は成し遂げることができるのだ、と。
ノアはそういう意味では、無邪気ではあったが無垢ではなかった。この作品はきつい。どういう意味かというと、我々の無知を、そしてそういうような無垢の保ち方に対して真っ向から組みついてくる。
アフリカで人が死んで、そのおかげで僕らはオレンジを食べる。
そういう無知を徹底的に糾弾するように、森の中は残酷に生態系がまわっていた。森はノアの無垢を許さなかった。ノアはだから、気高くあろうとする黄色の民から零れ落ちた醜い真っ赤な無邪気、ということになるのだろうか。
化け物の皮をかぶって死んだ彼は、最後にアイヴィーの顔を見て何を思ったのだろうか。
僕は思う。
たぶん僕らが死ぬ時と似たようなことを、考えていたのだ、と。
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